083.すくい漁場

公式引用

 潮の干満の差がきわめて大きい有明海ならではの漁法で、満潮とともに石組みの「すくい」に入った魚が、干潮にしたがい出口の遊水地に集まったところを、手掴みやタモですくい捕る最も原始的な漁法である。

 幅約1m、高さ2〜3mの石積みを約330mの馬蹄型に積み上げた石組みは、独特の漁場として地域住民に親しまれてきた。

 江戸時代から明治中期頃までは有明海沿岸や島原半島沿岸に200箇所以上確認されたが、台風高波での石組み崩壊や漁獲技術の発達などにより、現在ではそのほとんどが姿を消している。諫早市内では高来町の湯江水の浦のみに現存し、有形歴史資料として諫早市文化財の指定を受けている。

 自然条件を巧みに利用した原始的漁法のひとつとして、漁業発達史に特筆されるものであり、現存するものは極めて少なく、工法・漁法とも貴重な財産である。

到達記録

 平成27年01月01日に訪問しました。

 すくい漁場は、長崎県諫早市高来町水の浦にある伝統漁業設備です。

 現地を訪問すると、かなり保存状態が良く、現在も利用されているようです。船で漁に出なくても魚が取れる、かつての画期的な漁法と言えるでしょう。

 未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選【すくい漁場】

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