066.青海島鯨墓

公式引用

 鯨墓は花崗岩で、高さ2.4メートル、幅0.46メートルの石塔である。

 正面には「業尽有情雖放不生」「故宿人天同証佛果」「南無阿弥陀仏」と陰刻され、側面には「元禄五年壬申五月 願主 設楽孫兵衛・池永藤右衛門早川源右衛門」と刻まれている。

 「鯨1頭取れれば7浦が賑わう」と言われるほど鯨の価値は高く、鯨組の漁師たちは命がけで鯨に向かっていった。しかし、解体された母鯨の胎内で死亡した子鯨を見たとき、さすがの漁師も哀れみを感じ、墓を建立し経を唱えて丁重に葬った。その位牌と鯨鯢過去帳も向岸寺に残されている。鯨に対する先人の感謝と思いやりの心は、捕鯨が廃れて一世紀が過ぎた現在でも、地域住民により毎年執り行われる伝統的な回向に引き継がれている。

 捕鯨用具は長門市通の「くじら資料館」に展示されている。

到達記録

 平成24年03月16日、令和03年08月15日他、何度か訪問しました。

 青海島(おおみじま/おうみじま)は、山口県長門市の北、日本海に浮かぶ島です。

 鯨墓(くじらばか/げいぼ)は、青海島にある向岸寺(こうがんじ)の境内にある鯨の胎児の墓、石柱です。

 捕鯨基地として栄えた地域には多くの鯨塚があるものですが、子鯨を主体とした墓石はここだけの様です。自分たちが生きるための必然の行為の中にも、業が深いものがあるものですが、こちらでは情け深い漁師の心根を知ることが出来ます。

 未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選【青海島鯨墓】

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